大判例

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阿倍野簡易裁判所 事件番号不詳 判決

主文

被告人を罰金一万五千円に処する。

右罰金を完納出来ないときは金三百円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

訴訟費用は被告人の負担とする。

理由

事実

被告人の本件犯罪事実は起訴状記載の公訴事実と同一であるから茲に之を引用する。

証拠(省略)

被告人及び弁護人は本件に於ける男女間の行為は所謂二号契約であつて被告人は其二号契約の周旋を為したに過ぎない、二号契約は法に謂う売淫ではない。本件二号契約の当事者である婦女の被告人に対する申込は何れも生活援助者の世話をして貰いたいというのであり、其援助者との間には必然的に性交に応ずると言うのであつて其性交は直後の反対給付ではない。援助を受くることに依て必然に起る事実である。斯くの如きは二号契約であつて売淫を以て律すべきものではない、従つて本件被告人は無罪であると主張するのである。此点について考えるに、売淫と言うのは婦女が対価を得て貞操を提供することを謂うのである、其対価を定めるについて、売淫に於ては一回又は一夜を標準として定めることが通例であるとしても本件の如き一ケ月を標準として其対価を定め之に対して貞操を提供するものである以上これも亦売淫と謂はなければならない。而して此事実は前記証拠によつて明かである、依て被告人等の右主張は採用することが出来ない。

適条

昭和二十二年勅令第九号第二条刑法第四十五条第四十八条第十八条刑事訴訟法第百八十一条

(昭和二九年五月六日阿倍野簡易裁判所)

起訴状記載の公訴事実

被告人は大阪市阿倍野区天王寺町北三丁目四一〇八で結婚相談を業としていたものであるが、前記場所で

(一)昭和二十七年六月中頃津田幸子との間に同相談所に援助名目で女の斡旋を申込たる男を相手に附近旅館等で売淫をさせ援助斡旋手数料名下に売淫料中より手数料を貰ふ約束をし

(二)昭和二十七年九月中頃奥田隆子との間に前同様の約束をし

(三)昭和二十七年十月初頃荻原薫子との間に前同様の約束をし

以て夫々婦女に売淫をさせることを内容とする契約をしたものである。

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